センター長挨拶



2019年4月1日に理学研究科附属サイエンス連携探索センター(SACRA)が発足しました。理学研究科は各専攻で優れた科学的成果を上げてきていると自負しておりますが、各学問分野の境界・融合領域に新たな科学的発展とブレイクスルーが生まれる大きな可能があるとも考えています。そこで、それら境界・融合領域の研究・教育活動を支援・発展させて新学術領域を開拓し、次世代のサイエンスを担う人材育成に寄与することをめざしてSACRAを設立しました。また、SACRAでは国際的な視野に立っての人材育成、研究成果を広く社会に発信するなどの広報や社会連携事業も行い、理学研究科内外が関係する様々な連携事業を実施・支援していく所存です。SACRAには、以下で説明します学際融合、広報・社会連携、国際戦略の3部門と情報収集と整理を行いつつ、各部門の事業の調整を担う企画戦略室を設置しています。

●学際融合部門
現在の理学研究科がカバーする学問分野の境界領域やそれ以外の新しい研究分野の創出を実施・支援する部門です。データ理学、量子情報科学、統合地球進化学、数理・生物多様性学等の新学術領域の形成をめざします。教育研究プログラムを行い、広い視野を持ち新たな学問領域を創造できるような俯瞰力・独創力を備えた人材の輩出に寄与したいと考えています。

●広報・社会連携部門
理学研究科の教育研究の取り組みを、学内・国内・海外に広く情報発信するより有効なしくみを構築し、市民向け行事の開催や高大接続連携事業の実施等により、地域との連携強化や将来を担う世代の育成も行う部門です。科学と社会連携に関する授業を充実させ、交流活動に関心のある学生の参加を促し、一般社会人向けの説明・発表能力を磨かせ、中高生の教育者または科学コミュニケーターの育成にも寄与します。

●国際戦略部門
海外との研究交流機能、リクルーティング機能を実装し、世界的な視野で研究を推進することをめざし、理学研究科の国際戦略の核として国際性豊かな人材の育成を進める部門です。国際研究交流会など学生が主体となって取り組む事業等も支援し、異文化理解力や柔軟な思考力を有し、グローバルな視点で物事を解決に導くことのできる人材の育成に寄与します。また、優秀な留学生を戦略的に獲得すべく、リクルーティング活動などを組織一体となって行うと共に、留学生に対する支援も充実させます。

●企画戦略室
企画戦略室はSACRAの事業を進めるための要です。客観的データに基づく迅速かつ的確な意思決定を行うべく、教育研究活動・財務状況等の様々な情報を集約・分析し、強み・弱みを把握する業務を行いつつ、各部門が実施する事業の支援・調整を行います。また、様々な問い合わせの窓口の役割も担う理学研究科に関する情報のハブにしたいと考えております。

以上、SACRAで実施しようと考えている各種業務等を説明してまいりました。ここまで読まれると、研究科の基盤的経費が増加せずまた教職員定員の削減も進行している状況で、SACRA設置とその事業によって、既に過多になっている教職員の負担がこれまで以上に増えて、通常の研究教育の実施に悪影響を及ぼすのではないかと懸念される方もいらっしゃるかもしれません。SACRAでは、理学研究科の活動の把握により、業務の整理・合理化・効率化を行い、教職員の負担軽減につなげることを狙っております。情報の集約・分析により、事業の重複や有効性が限定的な業務の見直し等を行うことを通して業務を整理し、これまで実施してこなかったより有効な事業や新たな展開に結びつく試みを行い、理学研究科全体の発展につなげたく思っております。SACRAの趣旨をご理解の上、ご協力とご支援をお願い申し上げます。

サイエンス連携探索センター(SACRA)
平野 丈夫 センター長