京都大学理学部の独自な教育スタイル緩やかな専門化様々な専門分野の教員カリキュラムは自分でつくる京都大学理学部で学ぶ学年があがると専門科目の履修割合増(全学共通科目)一般教育科目一学部一学科制をとっています。多くの大学では、入試の段階で分野に分かれていますが、京都大学理学部は一学科制であり、まとまっています。数学、物理、地球惑星、化学、生物のどれをとっても、専門的な科目を一回生から学ぶことができますし、幅広く分野を横断して様々な科目を学ぶことができます。二回生のおわりに、進む分野を決めればよく、生物を学ぼうと思って入学して、物理に変更した人もいます。また、物理を学ぼうとして入学し生物を勉強した人もいます。入学時には専門を固定せず、緩やかな専門化を経て、研究の最前線へ向かう教育を行っています。教育の目標は、自然科学の基礎体系を深く習得し、それを創造的に展開する能力と、個々の知識を総合化し、新たな知的価値を創出する能力の養成です。京都大学理学部・理学研究科の教員数は約250人を数えます。これらの多くの教員が、学生の個々の能力や才能に応じた教育をしています。また、学生が卒業研究で研究室に配属されると、教員と学生は同じ立ち位置で、自然界の不思議を探っていきます。ひとつの自然界を、各分野の切り口で探っており、研究の内容は多彩です。必修の専門科目は、卒業研究だけです。それ以外は、約250ある専門科目の講義・演習から約15以上を自分で選び履修します。自分自身だけの独自カリキュラムを作成可能ということも京都大学理学部の魅力のひとつです。京都大学理学部の教育システムでは、学生は一、二回生では一般教育科目を多く履修し、それから徐々に専門科目を履修していくような構造となっています。単位の取得数で考えると、左図のような楔形の構造となります。二回生のおわりに専門分野を決める系登録があり、5つの系(数理科学、物理科学、地球惑星科学、化学、生物科学)のうちのいずれかに登録します。京都大学理学部では、一回生から専門科目を履修することも可能です。また、逆に、四回生になってからも、一般教育科目を履修することが可能です。学生自らが選択さえすれば、一回生から専門科目を履修可能であることは、京都大学理学部の大きな特徴の一つです。楔形の科目構成20人文・社会科学科目 外国語科目 少人数教育科目 その他の科目 専門基礎科目24単位以上38単位まで専門科目卒業研究1科目を含み、54単位以上E科目(英語力強化) 4単位以上12単位以上24単位まで16単位以上20単位まで(うち英語8単位)4単位まで4単位まで専門科目を1回生から履修でき、また、幅広い範囲の科目を履修できる。4回生3回生理学部 専門科目系登録2回生一般教育科目、専門基礎科目1回生卒業に必要な単位数 総計138単位以上 約250科目から約15科目を自分で選択
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